Wolfbserg ABC Guidance - Executive Summary (Japanese)
SUMMARY
序論
本ガイドラインは、金融業界における効果的な贈収賄・汚職防止コンプライアンスプログラムを構築・導入・維持するための手引きとして Wolfsberg グループより発行されたものであり、各金融機関において贈収賄・汚職に係る法令要件の遵守と倫理的なビジネス慣習を促進することを目的としている。本文書は各国で適用される法令・規制、ガイダンスと併せて解釈されることが望ましい。
尚、2017 年発行の Wolfsberg 贈収賄・汚職防止コンプライアンスプログラム手引きを改正し、本文書と置き換え、記載用語は業界全体で周知されている一般的な用語として用いられている。
汚職と賄賂の定義
汚職とは、私的利益のため職権や地位を濫用して不正を行うことを指し、贈収賄とは汚職の一形態で、商業または官公庁関連取引において直接または間接的に利益を不当に獲得・維持することを意図した金銭その他の利益の申し出・約束・提供・授受、または譲渡することを示す。
リスクベース・アプローチ
贈収賄・汚職を防止・検知・報告するためのコンプライアンスプログラムは、リスクベース・アプローチを用いることが推奨され、金融機関は、営業拠点、顧客、商品・サービス、関連仲介業者・外部媒介者を定期的に評価する必要がある。定期評価を実施することにより、固有リスクを洗い出し、そのリスクに見合った規則・規定・政策を講じることが可能となる。個人顧客と比べ、法人顧客取引獲得あるいは公的機関への利益提供の意図がある場合に贈収賄・汚職リスクが増大する。
贈収賄・汚職防止コンプライアンスプログラムの要件概要
全ての贈収賄と汚職リスクを防止するコンプライアンスプログラムは存在しないものの、本文書では以下項目でのリスク低減を推奨する。
- 社内規定 主要要件を網羅した規則を全社に適用させ、贈収賄・汚職を受け入れない体制の確立
- ガバナンス・役割と責任 各社のマネジメントがプログラムを監督し、十分な権限、専門知識のある従業員による運営
- リスク評価 贈収賄・汚職リスクの範囲と本質、リスク低減体制の有効性を定期的に評価
- 管理体制確立
- 金銭その他利益 贈答品、接待、雇用や就労機会の提供、寄付、スポンサーシップ、政治献金が含む金銭その他利益の贈答(またそれを約束、申し出、承認すること含む)、授受の禁止
- 外部媒介者 媒介者を含む外部業者の従事は、様々な贈収賄・汚職、法的リスク、規制リスク、風評リスクに繋がる
- 顧客関連取引リスク 一定の顧客、一定取引先、一定顧客の営業活動は、更なる法的リスクや風評リスクを生む可能性があり、適切なガバナンスの下で管理
- 自己資金投資、管理ファンド買収、投資、合弁事業 金融機関あるいは管理ファンドとして行動する者等を監督
- 研修 規則・規定・手引き、およびリスクベースアプローチに基づく研修により、該当の社員に加えて外部業者にコンプライアンスプログラムを浸透させ、また、プログラムの継続的な網羅性検証の一環として、内部・外部事象から学んだ教訓の分析・共有を行うことにより、贈収賄・汚職防止体制の発展に繋げる
- モニタリング・テスティング 規則・規定に従って手続きが行われているかを検証する仕組みを確立する。この検証では、従業員および外部業者の原則・規則・行動規範・法規への非遵守リスクを洗い出し、非遵守事象があった際には、調査・是正・体制の改善を実施
本ガイドラインの全容は 2023 Wolfsberg Anti-Bribery and Corruption Compliance Programme Guidance を参照。


